写真は初めて撮ったSLである。
カメラはNikomatFTn、レンズは50mm。
とんでもなく斜めに傾いた写真である・・・ハッキリ言って「下手」
初めて一眼レフを持ち、目の前を鉄の塊が走ってきたら、こんなものだろう、ブレていないだけまし。
SLの右手に駅名表示板があり「かぶと」と読める。
加太駅から柘植(つげ)駅方面に線路を歩いて約2kmぐらいのところに大きくカーブした築堤がありトンネルに入る直前の場所、トンネルの両脇で築堤を見下ろす場所が絶好の撮影ポイントであった。
加太駅から柘植駅(奈良方面)の間は最大勾配25パーミルの上りとなる難所である。
通称「加太越え」。
ここを一番後ろに補機をつけD51が重連で登ってくる貨物列車がハイライトであった。
写真は7月にその場所で撮った写真である。
一番後ろに補機の機関車が写っているのがわかる。
この頃になるとSLを撮るのも慣れて、これは135mmで撮っている。
1973年10月のダイヤ改正で、このエリアのSLは廃止になった。
廃止までのわずか数ヶ月の間に小遣いをためてSLを撮りに行き、何度か加太駅に降りた。それ以降はSLが走っているのは山陰線の島根以西とか九州、東北、北海道など中学生が簡単にいける土地ではなかったので次第に鉄道写真から離れ、風景やスナップ撮影に方向が変わった。
それから40年。
まさか、この駅に再び来るとは思わなかった。
ホームはディーゼルカーは止まる位置だけ高くなっており、それ以外は昔のまま低いホームである。
ホームをまたぐ跨線橋からホームを見下ろしていると、1時間に1本だけのディーゼルカーがやってきた。
しばらく止まっていたが、一人の乗降客もなく亀山方面に走り去っていった。
ちょっとタイムスリップした1日だった。
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